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「こんにちはー」
明るい笑顔で翔平が事務所の中に入ってくる。
「こんにちは、翔平さん。いつもの場所へどうぞ」
「ありがとう、天羽さん」
翔平と一緒に応接へ向かうと、そこにはすでに淹れ立てのコーヒーが用意されてあった。
「いつもありがとう、オウル」
「いらっしゃいませ、椎名様」
挨拶を済ませると、オウルはすぐさまフクロウの姿に戻る。そして、いつもどおり蛍の左肩に収まった。
「いらっしゃい、翔平君。非番の日にも来るなんて、よほどここが好きなんだねぇ」
コーヒーの香りを楽しみながら、クイとカップを傾ける。そんな慧を見て、翔平は苦笑した。
「部屋の片付けをしたら、やることがなくなっちゃってさ。どこかへ行こうと思っても、行きたい場所なんてないし。コーヒーでも飲んでゆっくり寛ごうかなと思ったら、店よりもやっぱりここかなって」
「失礼だなー。ここはカフェじゃなくて、探偵事務所! 職場だよ?」
「まぁまぁ。このメンバーでいるのが一番ホッとするよ」
そういう風に言われると、こちらまで嬉しくなってしまう。蛍の顔に自然と笑みが浮かんだ。
「嬉しいです」
「優しいなぁ、天羽さんは」
翔平の目尻が下がる。すると、慧はすかさずオウルに向かって言った。
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