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「あ、ダメですよ、オウル。さっきみたいに、翔平さんの頭の上で飛んでてください」
「私も見たいです」
「後でちゃんと見せますから」
蛍はオウルを宥めるように、オウルの額を数回撫でた。すると、オウルはすぐに機嫌を直し、翔平の頭の上に戻り、ピョンピョンと楽しそうに飛び跳ねる。
「あ~……可愛い。オウルって可愛い!」
「……チェッ、ほんとフクちゃんって役得」
拗ねる慧の肩をポンポンと叩きながら、翔平は菩薩のような笑みを浮かべた。
「子どもと動物には敵わないよ」
オウルはその両方を兼ね備えているのであった。これでは、慧は絶対に敵うはずがない。
「出来た!」
蛍の声に、皆が注目する。蛍は「ジャーン」と言いながら、ノートを開いて皆に見せた。
「おぉ!」
「これがオウルのフクロウ姿!? 何これ、めっちゃ可愛い! 死ぬほど可愛い! ヤバイ! ほんと死にそう……っ!!」
そこには、翔平の頭の上で飛び跳ねているオウルが描かれていた。
翔平は「可愛い可愛い」と連呼し、のた打ち回っている。よほど可愛いものが好きらしい。本当に、どうして保育士にならず、刑事をやっているのかが不思議でならない。
若干デフォルメはされているが、オウルの特徴を見事にとらえた可愛らしいイラスト。オウルはそのイラストにじっと見入っている。
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