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「金輪際、僕に近づかないでくれ!」
金本さんはそう言って、金沢駅に向かっていった。
お金のない僕は、そのまま金券ショップに向かい乗る予定だった乗車券を現金に換えた。
向かいの駄菓子屋に金平糖を見つけ、口の中で転がしながら考えていた。
「推理小説の金字塔と言えば?」
とりとめのない会話が喧嘩の引き金になることはよくある。
お腹が空いてきたので近くの定食屋に入る。金目鯛の煮付け680円。
金本さんは、本の話になると人が変わる。
金曜日の夜に飲み屋であの話題にしたのがまずかった。
「金野ちゃーん!」
板金屋の社長だ。
「あれ?今日休み?俺みたいに金のないやつは、日曜も働かないとなー」
純金のネックレスをしている社長は、恰幅もよく遠くから見ればただの怖い人だ。
「いや~友達が遊びに来てくれたんですけど、怒って帰っちゃいました。」
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