完璧(100%)が目標

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完璧(100%)が目標

私の名前は、小林絵理。 いつからだろう。私はいつも完璧(100%)を目指していた。 キッカケは多分、中学三年生の一学期の期末テストだった。 そのテストで、私は全科目満点(100点)を取り、先生からもクラスメートからも、そして両親からも物凄い賞賛を受けた。勿論、私の中学で初めての快挙だった。 その時の、興奮と高揚感、今でも忘れられない感激だった。 私は次からも全科目満点(100点)を目指した。そして二学期と三学期のテスト、高校入試、全て満点(100点)を取り続ける事に成功した。私は完璧(100%)な成績を残す事を自分に課して、それを最大の優先事項として毎日を取り組んでいた。 それは並大抵の努力では無かった。ただ私なりの処世術があった。全科目満点(100点)を取る為には、テスト範囲を完璧にリサーチして、その内容を完璧(100%)に覚える。ただしテスト範囲以外を覚える必要は無い。テスト範囲をのみを完璧(100%)に(こな)す事で、私はテストに出ない無駄な学習をする事無く、満点(100点)を確実にする事が出来た。 ポイントは如何に自分が覚えるべき範囲を特定し、それに集中するか・・。裏を返せば自分が必要と考えた所のみを完璧(100%)に覚える。不必要な箇所は覚えない。それが私の学習術だった。 高校も満点(100点)を取り続けた。勿論、高校ではトップだったし、帝国大学医学部にも満点(100点)で首席合格をした。 こんな私も付き合った男性が何人か居た。高校で一人、大学では二人の男性とお付き合いしたが、どれも三ヶ月しか続かなかった。残念ながら彼等は私が期待する完璧(100%)な男性には程遠かったんだ。でも最後に付き合った大川浩二君はあと一歩だった。帝国大学医学部での成績は次点(もちろんトップは私)。背は高くイケメンで私の好みだったが、やっぱり完璧(100%)で無い彼は、私の理想では無かった。 別れる事を彼を告げた時、大川君は私に言った。 「僕はそんな君に恋した。僕は君の理想になれる様に努力するよ」 彼は翌月から帝国大学を離れアメリカの大学に留学した。 その後、私の前には理想的な男性は誰一人現れなかった
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