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「お姉ちゃん先生!」
今日も弥生ちゃんの診察だ。手術から三ヶ月が経ち、彼女は事故の後遺症も無く、すっかり元気を取り戻した。弥生ちゃんのお母さんが大きく頭を下げた。
「先生、本当にありがとうございます。あの時、先生に助けて頂けなかったら・・私達、どうなっていたか・・。それも先生は、100%医師と呼ばれている凄腕だったんですね。私達、本当に運が良かったと思っています」
私は弥生ちゃんのお母さんにそう言われて大きく首を振った。
「私は完璧(100%)じゃありません。弥生ちゃんはチームで助けることが出来たんです。一人一人の専門性を活かしてチームワークで100%を目指すのが大切なんです。そうすれば100%は200%にも300%にもなって、弥生ちゃんの様な難しい手術を成功させる事が出来ます」
「でも、先生に助けて頂いたのは事実です。本当に感謝しています」
もう一度、弥生ちゃんのお母さんが大きく頭を下げた。
「お姉ちゃん先生、私も大きくなったらお医者さんになるの。お姉ちゃんみたいな100点な先生になるよ」
弥生ちゃんが満面の笑みでそう言った。
「うん、弥生ちゃん。そしたら先生の助手になってね。一緒に100点を目指そう」
弥生ちゃんがウンっと言って大きく頷いた。
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