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約束の日、神代さんが老人ホームまで車で迎えに来てくれた。
事前に老人ホームに外出届を出してあったため、容易に外出することができた。
車の中で、神代さんは美怜の最近の様子をいろいろ話してくれた。
病院に到着すると、神代さんが私を車椅子に乗せて院内を案内してくれた。
美怜の病室の前に到着すると、廊下で少し待っていてほしいと言われ、神代さんが病室に入って何か話をしているようだった。
少しすると神代さんが病室から出てきて、私の車椅子を病室内に入れてくれた。
病室では、ベットで美怜が横になっていた。
「優也さん、お久しぶりですね!」
美怜は優しい笑顔で私に声をかけてくれて、僕はほっとした。
「美怜、お久しぶりです。
話は神代さんから聞いているよ!」
僕は年老いた美鈴の顔を見て、美怜に苦労をかけたことを申し訳ないという思いになった。
「美怜には、苦労をかけてしまったようだね!
本当に申し訳ないと思っているよ!」
すると美鈴は、私を恨むどころか謝るような口調で話をしてくれた。
「苦労だなんて、思ったことはありませんよ!
優也さんに相談もせずに、勝手なことをしてしまってごめんなさい。
それより、こうして優也さんと再会できて、こんなに嬉しいことはありません。」
僕は大学卒業後の自分のことを話して、結婚せずにこの年になって、今は身寄りがいないことを話した。
美怜も大学卒業後のことを話してくれた。
2人の話は、尽きることはなかった。
面会を終えると神代さんが私を車で老人ホームまで送ってくれた。
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