１００歳の再会

僕は美鈴の通夜と葬儀に出席した。

私の車椅子での移動は、神代さんが手伝ってくれた。

出棺して火葬場での待ち時間に、神代さんが僕に話しかけてくれた。

「曾祖母は、来栖さんと再会できて良かったと思います。

　来栖さんと話をしている曾祖母は、本当に楽しそうでした。

　来栖さん、今回は曾祖母のために、本当にありがとうございました。」

僕は自分の正直な気持ちを神代さんに伝えた。

「いいえ、こちらこそありがとうございました。

　美鈴と再会して、美鈴に謝ることができて、肩の荷が下りたように感じています。

　僕も美鈴と再会できて良かったです。」

火葬を終えて葬儀場に戻って焼香する際、僕の順番が回ってきて美鈴の遺影を目の前にして僕は心の中で、

（美鈴、子供を立派に育ててくれて、本当にありがとう。）

と美鈴に感謝の気持ちを伝えた。

美鈴の旅立ちの瞬間に、美鈴の手を握って温もりを感じることができたことを、僕は神様に感謝した。