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「曾祖母は優しくて、いつも私のことをかわいがってくれます。
私は曾祖母のことが大好きです。」
神代さんは、美怜に対する自分の思いを話してくれた。
「そのことを僕に伝えるために、この時代に来たのですか?」
僕が疑問をぶつけると、神代さんは神妙な面持ちで話し始めた。
「来栖さんにお願いがあります。
73年後、この電話番号に連絡いただけないでしょうか?
この電話番号は、未来の私の電話番号です。」
こう言って神代さんは、僕に電話番号が書かれたメモを手渡してくれた。
「電話して、どうするのですか?」
僕が質問すると神代さんは、
「曾祖母に会っていただきたいのです。
曾祖母は、来栖さんに会いたいと思います。」
と僕に意外なお願いをしてきた。
この時の僕は、どうしたらいいのか結論を出すことができなかった。
「美怜は、僕には会いたくないと思っているのではないでしょうか?」
僕が率直に質問すると、
「いいえ、決してそのようなことはないと思います。
曾祖母は来栖さんのことを愛しています。
私には曾祖母の気持ちがわかります。」
と少し強い口調で僕に訴えてきた。
「分かりました。
73年後、このことを覚えているかわかりませんが、考えさせてください。」
僕は、今の自分の気持ちを正直に答えた。
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