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目の前の男、見たところ20歳前後である。
いかにもスポーツ系の爽やか男子が大学デビューして来ましたという外見をしている。
園村あやは今まで年上しか好きになったことはない。
しかも極度の洋顔フェチで髭面のダンディフェイスが好みである。
愛読書のスウィーツでも「頼れる」「甘えられる」「金銭的余裕がある」で、園村のような女には間違いなく年上が適当だと書いてあった。
恋愛は100点と言わずとも80点以上の男としたい。そして甘くとろける100点の恋がしたい。
見た目は60点。残念だが、年下の男の彼は対象外と言わざるを得なかった。
「俺、三谷純平って言います!先ほど歩いていた姿が、可愛いなって思ってそれで、告白しました!」
理由は-30点。
園村あやは極度に惚れっぽいーーが、極度に低い自尊心から自分と同様に惚れっぽい相手に対して「お前そんな軽い気持ちで好きなんて言うんじゃない」という気持ちがあった。
肩まで伸ばしたゆるふわ茶髪の髪を揺らしながら園村はしゃがんだ。
「年下は対象外なの。ごめんね」
軽くあしらいその場を去ることにした。
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