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だが次の瞬間、朝永さんの手に占拠されている意識が違う方に一気に向いた。
場所は唇。
「んっ!?」
生温かい湿った何かが、私の唇に押し付けられている。
何かが分からない。
だって経験したことが無い感触だから。
固まっていると数秒後、近くから吐息が聞こえた。
すると次の瞬間、唇の間をぬるっとする何かが捩じ込まれてきた。
そして私の舌に、ぬるっとしたものが絡んできて。
「んぅ!」
息が上手く出来ない。
捩じ込んで来たものを排除したいけれど、口を開かないと息が出来ない。
だが口を開いたら、ぬるっとする何かが益々暴れだして。
私の心臓も一緒に暴れだす。
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