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益々息が出来ない……。
息苦しくて、心臓も苦しくて、私は咄嗟に後ろに身を引いた。
が、ぬるっとする何かは離れてくれなかった。
そこで気付いたが、何かが私の顔を掴んで動けない。
心臓はパニックを起こして高速で動き続けている。
暗闇の中、近くには先程の知らない香りを濃密に感じる。
何が、どうなってるの……?
その時、形が朧気だが、視界に浮かび上がる。
どうやら目が暗闇に慣れてきたらしい。
そしてどんどん慣れてきた瞳が捉えたのは、超至近距離にある目を瞑る朝永さんの端整な顔。
その距離、数センチ。
そりゃ、香りも濃密にもなる。
そして男性経験が無い私にも流石にやっと今までの出来事が分かった。
今までのが、キスだということに。
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