Vanilla

２

その言葉に動けなくなった。
だって、クビになるわけにはいかないから。

逆らえない私はやむ無く全身の力を抜いた。

「突然、良い子じゃん」

身動ぎすらしない私に、腹が立つ程愉しげな声。

その時、私の顔を押さえつけていた両手がやっと頬から離れてくれた。

が、その手は下へと向かっていく。

右手はパジャマの裾から入り込むと、私の肌の上を滑らせて。

左手は私のパジャマの上から太腿を下腹部へと向かって厭らしく滑る指。

私は男性経験ゼロ。

その動きに恐怖で身体は震えそうになる。

「やっぱヤル気満々だったんだな」

何を言っているの？

私は顔を顰めた。

だが何を言われても、反抗も抵抗は許されない。