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漸く暗闇に慣れた目の前に、革靴が映り込むと同時に頭上から声が落ちてきて。
驚いて顔を上げると、そこにはスラリとした足のついた人間でオバケでは無かったが、今はそれどころじゃない。
だってオバケの正体が、三つ先輩の朝永さんだったから。
先程のオバケ並に私の顔から血の気が引く。
実は私、彼が苦手なのです。
よりにもよって、何故彼に見つかってしまったんだろうと私は自分の運の無さを呪う。
「布団被って何してんだ?」
低い声にビクつく。
と、とりあえずタオルケットを被ったままなのは失礼だ。
私はタオルケットから飛び出るとソファに正座した。
「パジャマって、此所に住んでるみたいな格好」
「!!!」
私のお気に入りの半袖の水玉のパジャマを見ながら無表情で放った言葉に再び思いきり肩を竦めた私。
だって大当たりだから。
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