序章
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序章
……ふわふわと熱に浮かされたようだった。 頬や、耳にかかる息。 少し擦れて聞こえる低い声。 やんわり手首を掴んだ男の手と、重なる指のぬくもり。 男らしい喉仏から続く首筋にかかる襟足。 うっすら汗に濡れた鎖骨…。 見上げた視線の先にある、情欲の瞳。 そして下弦の月――。
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