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一同が振り向いた、そこには、セーラー服の女子高生が立っていた。
しかし、その目は怒りに釣りあがり、そして鬼火のともっているように見えた。
「ついに見つけたぞ、ア~タ~リ!」
「誰だ、この娘は・・尋常じゃない気を感じる」思わず、卓が言った。
そうだった、その娘の体から、すさまじい黒い瘴気が湧き上がった。
「あたしは、堅磐レノ、そいつに、全財産を盗まれたのだ、一生懸命、つめに火をともすようにして積み立てた、全財産を、使われたのだ!この恨み、晴らさずにおかれようか~覚悟しろ、アタリ~」
ををををを!!!
「超能力を使うのか、あの娘は」
「バチ、あてたるううううう!」
「く・・この悪霊くずれが、私の霊力で!とお!」
ばちばちばち!
アカシアのもつ榊から、誰の目にも明らかな電撃が、空気を走った。
じゃじゃじゃじゃ!
しかし、それは、黒い瘴気に阻まれ、娘の体には届かなかった。
「なんと・・」
さすがに、それにはアカシアもたじろいだ。自分の電撃を外せる人間がこの世に存在するとは考えられなかったのだろう。
「笑止!神社の巫女風情で、このあたしのこの煮えたぎる怒りを納められるものか!どけ、おまえたち。巻き添えになりたくなければな!そのアタリを、ぎったんぎったんにして、殺す!」
「できるかな。この男、なかなかの不死身だぞ?手加減はしたが、常人なら病院行きの修行、何度も回復したのだ」アカシアは言った。
「あたしには、”ひらりん”の守護があるのだ」レノが、毒々した声で、叫んだ。
「”ひらりん”?何者だ?」
「これだ、見ろ!」
どん!
その瞬間、空間にその姿が現れた。
「きゃあ!」リンコ巡査が、顔を赤らめて、背けた。
それは、ブリーフ一丁の、中年男、下腹の出たカツシンとしか見えない、異様な男だ。その身長、およそ10m!
「それが、ひらりん・・か?」
「そうだ。この腐った世の中を”ぐれん”とひっくり返して、よき世の中に改革してくれる、すばらしい、お方だ」
「”ぐれん”と、世界をひっくり返す、だと」
「そうだ、その偉大な神様の、ひらりんは使者なんだとよ。使者だけど、これだけの力を、あたしにくれたのだ!ええい、面倒くさい、一まとめに、みんな、ぎったんぎったにしてやる」
「ちいい、あの娘、尋常じゃない超能力の持ち主だぞ」ボンボンが言った。
「わかるの、ボンボン・・」
「我の知る”ぐれん”と世界をひっくり返すという神は、一人のみ、”艮の金神(うしとらのこんじん)”」アカシアが言った。
「そうだ、そのとおりじゃ!」
「”艮の金神”?」
「またの名を、スサノオ・・あの高天原に攻め込み、大破壊をもたらした、荒ぶる神!」
「そうじゃ、その艮の金神がよみがえったのじゃ、ついにな!」レノが、高笑いとともに、言った。
「もしかして、そのスサノオというのは」
「・・・幻魔!」
「くるぞ!」
レノの体を覆う瘴気が、一同に殺到する!
そのとき
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