登場人物

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登場人物

アラン・クリストファー・ローレンス/30歳前後 サン・ノウルズ郡立刑務所の若き看守長。ゲイ。出世が早いぶん仕事熱心だが、不器用なので人と打ち解けたり広く交友関係を築くことが苦手。若さのわりに神経質で気難しい。この刑務所は彼の理念のもと厳しい方針が打ち出され、他よりも囚人たちにとって居心地の悪い場所ではあるが、それでも小さな不正はしょっちゅう起きている。そのため現在「スパイ作戦」という秘密裏の監視システムを実験的に導入している。普段から毅然としており隙がなく、いつもツンと澄まして表情も乏しいため人間味がないと思われているが、休日はボランティア活動に勤しみ、子供たちのスポーツチームでコーチなどをしている。また惚れた相手には一途で、精神的に打たれ弱い面もある。部下のニコルソンが苦手。A型・おうし座。 アルバート・デイモン・スミス(アル)/20代半ば 同刑務所の元囚人。気まぐれで粗野で狡猾だが、情に厚い面もあり困っている人に対しての面倒見はいい。幼い頃から非行を繰り返し、中学で矯正施設に送られ、成人前に麻薬の密売によって実刑を受け収監される。初めは監房内でも悪事を働き看守たちの手を焼かせ、刑務所のボスとして君臨していたが、徐々に更生していき最後は囚人たちの世話係として刑期を終えた。服役中は囚人の代表としてローレンスと意見を対立させることはたびたびあり、当時の仲は最悪だったが、彼に対する尊敬や憧れのような気持ちも持っていた。B型・おひつじ座。 アイザック・A・E・ウォルツ(ザック)/40代半ば 相手のちょっとした仕草や表情の機微から、心情・心理を読み取るプロフェッショナル。微表情研究家。人間ポリグラフのように扱われるので自身を「嘘の研究家」と名乗っている。数年前から囚人の仮釈放の審理担当としてサン・ノウルズを訪れるようになった。本人はいつも飄々として真意が掴みにくいが、特に何も考えていないことの方が多い。依頼で数多くの事件を担当しており、鈍感な面もあるがともかく何事にも怖気付かない。妻とは別居中、年頃の娘がふたりいる。現在は本業のかたわら自身の経験をまとめた書籍の執筆活動に勤しんでおり、最近それがドラマ化されることとなった。ローレンスとは仕事柄密接な付き合いをするが、職場以外でも互いに神出鬼没の間柄。AB型・みずがめ座。 ジェレミー・R・マクレガー/10歳 地元の少年サッカーチーム「デッド・ラビッツ」に所属する少年。精神的な成長がやや遅く、同じ年頃の子に比べ甘えん坊で泣き虫。低層団地に住む4人兄弟の末っ子で、全員が異父兄弟。ネグレクト気味の母親はいつもジェレミーの父親から生活費や莫大な交遊費の援助を受けている。内気だが好奇心旺盛で、サッカーよりも虫の観察や街の探検などが好き。普段はひとつ上の兄クリストファーの後をくっついて回っているが、今はサッカーで出会ったローレンスのことが大のお気に入り。A型・うお座。 ジェームス・R・ドライバー/30歳前後 マフィア率いる巨大な麻薬密売組織から枝分かれした中堅チームのボス。少年時代から有能なアルに対してのコンプレックスが強く、憎悪と嫉妬と羨望の入り混じる屈折した感情を抱いていた。界隈の情報屋として動いていたが、アルが収監されてからはコツコツと実績を積み重ねて今の地位まで登りつめた。狡猾で欲深いわりに派手なことは好まず、ふだんは冷静で実直な性質を持つ。しかし出所した宿敵のアルをぐうぜん目にしてつい憎悪が再燃し、ひと泡吹かせてやろうとして余計な災いを招き入れてしまう。AB型・さそり座。 ジャック かつてのドライバーたちの競合相手でもあり、内部抗争で壊滅した密売組織「ガンプ」の元メンバー。組織から身を引きたいとドライバーに直談判をし、しばらくはドライバーの付き人兼雑用係としてチームに新たに仲間入りを果たした。プッシャーらしからぬ真面目そうな風貌の朴訥な中年。仕事は迅速でドライバーに対しても忠実だが、どことなく信用しきれない怪しげな匂いを感じさせるため、正式な仕事などはまだ任されていない。アルに対してなぜか不穏な眼差しを向けてくる。 ニコラス・ウイリアム・ミラー(ニック)/30代半ば ローレンスの元恋人。大学で犯罪心理学を教える助教授として、囚人を観察・研究するという名目でサン・ノウルズ刑務所を訪れた際にローレンスと出会った。ふたりはすぐに意気投合し同棲までしていたが、ニックはある日突然別れを告げて出て行ってしまう。知的で退屈させないが、恋人を自分好みにしたがる強引な面があり、服装には特に口うるさいためローレンスは仕方なく折れて従っていた。基本的に人当たりはよく温厚だが、どこか裏の顔を感じさせるミステリアスな雰囲気もある。O型・おとめ座。 クロエ・ジョアンナ・フリーマン/40代半ば サン・ノウルズを含む郡立刑務所の理事会会長。大柄な男並みの体躯を持つ中年女性。元福祉士。肉体的、精神的な強靭さを兼ね揃えており、男性刑務所をメインに更生の第一人者としてさまざまな刑務所を渡り尽力した。屈強な囚人も彼女には敵わず、かつては「鬼軍曹」とも呼ばれていた。ローレンスが子供の頃から親のように面倒を見ており、彼女の勧めで彼も看守を志した。同性の恋人エマと暮らしているが、唯一彼女には逆らえないのをローレンスだけが知っている。 チャールズ・キングストン・ニコルソンJr./30代後半 同刑務所の副看守長でありローレンスの部下。血筋は南国をルーツにしており、がっしりとした肉体に褐色の肌と意志の強そうな目鼻立ちをしている。ローレンスと気が合わず仲良くはないが、仕事の面では特に問題なくやれている。またローレンスとは対照的に本来の彼はお調子者で話好き、誰とでもすぐに打ち解けられる。だが囚人には厳しく時には手荒な手段を取ることもあるため、囚人からは一目置かれ恐れられる存在。同じ施設内に勤務していた看護師のアンバーと結婚し、昼休みには毎日メッセージのやり取りをして幸せな新婚生活の真っ只中にいる。
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