恋愛的確率論

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……何だったんだ、一体。 なんかもう……色々理解の範疇を越えてる。 つーか俺も、女子高生の言うことをイチイチ真に受けたらヤバいだろ…… さっきのは、あれだ。気まぐれな狼に甘噛みされたと思って。そうだ、忘れろ俺! 自分に言い聞かせながら、傘を片手に今度こそ帰宅の途につく。 21時15分……あーぁ、DVDは延滞だな、こりゃ。 まぁ……いっか。 予定狂わされまくって、いつもならイライラしているはずなのに。 雨上がりのアスファルトに傘を突っつきながら、視界を遮る前髪をわしゃわしゃと乱した。 「あー……前髪うざ……切ろうかな」 違う、朝日に言われたからなんかじゃない。 ……断じて。 「……崩されて、たまるかよ」 ―――数年後、 相変わらず外では飄々とした一匹狼が、 相変わらず天パな俺の髪を指で遊びながら子猫のようにじゃれついてる、なんて未来は…… 今の俺には、“100%”想定外だ。 Fin
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