天気予報は嫌いだ

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……言われてみればその通りで。 その通りなんだけど、その事でイライラしてるかって言ったら、別に…… 「まぁ……でも元はと言えば、天気予報が外れたせいなんだよ。 降水確率100%とか言っときながら雨が止んでたりするから、傘を持って帰るの忘れちまったんだ」 朝日は「えー!100%!?そんなことってあるの?」と、驚いたように声をあげた。 「そもそも、天候なんて移り気で運任せなものに、100%って数字を当て嵌めるのがおかしい。 俺は100%っつったら100%じゃなきゃ気持ち悪いタチなんだよ。 不確かで曖昧なことってキライだから。 数学みたいに、何でもかんでも答えが決まってりゃいーのにと思う」 ……何で俺は、こんな話を朝日にしてるんだっけ? 目の前でしゃがみこんだままじっとこちらを見上げてくる黒い瞳に、一瞬怯んで、俺はそれを誤魔化すようにフイと視線を反らした。 そんな目で俺を見んなよ…… この見透かしたような真っ直ぐな目は、 正直苦手だ。
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