窓際の一匹狼

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朝日という女子生徒は、とにかく頭がきれて、理解力が高く飲み込みも早かった。 正直、成績や試験の結果を見ても、予備校に通う必要あるか?というくらい、志望校にも申し分ないほどの学力がある。 ただ、一つ……実は最近気になってた。 朝日が、定位置の窓際の席から、時折じっと外を眺めていること。 一階にあるこの教室の窓から見えるのは、駐車場の一角と、歩道と敷地を区切る植木くらいで、 まさか見えちゃいけないものでも見えてんのかと疑いたくなるくらい、目を凝らして真剣に何かに見入っている横顔は、当然教壇からも視界に入っていた。 元々授業態度は悪くなかったのに、最近の俺の授業はそんなにつまらないのか? そう思うと若干ムカついて、ぼーっとしてるところを狙ってあえて問題を当ててやったら、何てことないようにスラスラと正解を答えてくる。 捉えどころがなく、飄々としている、所謂カワリモノ。 ……なんて、俺には言われたかないだろうけど。
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