気まぐれな狼と雨上がりの憂鬱

窓際の一匹狼

人のことをとやかく言えるほど、俺自身人間が出来ていないことは百も承知だ。

理屈っぽい・つまらない・キッチリし過ぎて息がつまる……

数年前、奇跡的に出来た初カノにボロクソに吐き捨てられて振られた経験があるから、
自分の欠点は嫌というほど自覚してる。

だけど、どうしようもないじゃないか。
俺はこういう人間で、変わりようがないんだから。

こんな性格でよくこの仕事を続けてるなと自分でも思う。

数年前テレビやCMで話題になったカリスマ予備校講師なんかに言わせてみれば、きっと俺なんて一番講師に不向きのタイプなんだろう。

学生の頃、隣の席の女子に頼まれて数学の課題を教えたとき、
「影山くんの説明、先生より解りやすい！」なんて大声で感動されて以来、
テスト前だけ“オトモダチ”が急増する損な役回りを担ってしまったことがそもそもの始まりで、

人に教えることは、キライじゃない。
ただそれだけ。

生徒達からも元カノと同じようなこと噂されてるのは知っているし、

俺がこうして、非常勤のわりにそこそこ授業コマ数確保出来ているのは、きっとまぐれに違いない。