『一人で行ってくれよ』編

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「おう勇治、また今日も散歩か?」  天野が声をかけてきた。 「まーね。これが俺のデフォルトよ。球が飛んできたら逃げる。これ、球技の鉄則でしょ」 「お前その割にはバドミントンの時は張り切ってたじゃんか」 「バミトントンは球技じゃなくてお遊戯だから良いの」  天野の横に腰を降ろす。 「勇治、お前夏休みどうする?どこ行く?」 「え?どこって?」 「嫌だな勇治、お前去年一緒に沖縄行ったじゃんか。今年もどっか遊びに行こうぜ、飛行機乗って」  勇治と天野は入学したばかりの1年の夏、飛行機好きで意気投合し、2人で沖縄へ飛行機で旅行に行った。それを今年もしようということだ。
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