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「おめでとうございます。あなたが100万人目のご来場者様です」  向けられたそれぞれのカメラが、映像も写真も逃すまいととらえている。  何処からともなく女性アナウンサーがにこやかにマイク片手に颯爽と現れた。それと同じくらいのタイミングで、ここの館長である白髭をたくわえた老人が花束を手に姿を見せた。 「今のお気持ちは?」 「まさか、自分が100万人目の来場者になるなんて…夢にも思わなかったです」  そう、本当に100万人目の来場者なんて夢にも思わなかった。
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