0人が本棚に入れています
本棚に追加
「おめでとうございます。あなたが100万人目のご来場者様です」
向けられたそれぞれのカメラが、映像も写真も逃すまいととらえている。
何処からともなく女性アナウンサーがにこやかにマイク片手に颯爽と現れた。それと同じくらいのタイミングで、ここの館長である白髭をたくわえた老人が花束を手に姿を見せた。
「今のお気持ちは?」
「まさか、自分が100万人目の来場者になるなんて…夢にも思わなかったです」
そう、本当に100万人目の来場者なんて夢にも思わなかった。
最初のコメントを投稿しよう!