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「イオン、また来ないかなぁ。そろそろ連れてきてよー。」
「うるせぇな、なんでそこまで執着すんだよ?」
「日本人いると女の子達が喜ぶんだよねー。」
「…お前、まだやってんのか。」
さすが、40には見えない顔はこえーな。
いったい何人が騙されてんだか、ごしゅーしょーさまなこった。
「ライブハウスには来てないから安心してー。」
「当たり前だろ、そもそもそいつらみたいなミーハーが来れるライブじゃねぇよ。」
ベンは軟派な奴ではあるが、音楽にはストイックだ。俺の周辺ではだいぶ珍しいタイプだが、意外と気が合う。
ベンが所属するバンドメンバーも集まってきて、慌ただしく出番の準備が始まる。
「-シショー、そろそろ行くかい?」
「おー。」
舞台に登壇すれば、観客からの熱気と歓声が押し寄せる。口角が上がるのが止められない、止める気もなかったが。
トランペットを持つ手を高々と掲げる。
「そんじゃ、今日も派手にいこうじゃねえか。」
-約3年ぶりに復活したベン&シショーの伝説コンビは、「復活初回ライブにして最高のライブ」とジャズファンの中で讃えられた。
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