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ＮＹ
ジャズの本場アメリカ、それもニューヨークのマンハッタンにある老舗ライブハウス。
坊主には修行と言ってきたが、ここが俺の活動拠点の一つである。
そもそも、日本にいる時間の方が短ぇんだ、俺は。坊主のお世話につきっきりでな、久々のアメリカな訳だ。
「よっ、シショー、久しぶりだな！」
「よう、ベン。お前、随分変わったな。」
アルトサックス奏者のベンが陽気に話しかけてきやがる。ったく、シショー呼びは変わらねぇが。これもあのクソ坊主のせいだな。
「イオンは元気にしてるかい？お前が手塩にかけて育てたんだろ？」
「知らねえよ、今ごろ寂しくてギャーギャー泣いてんだろ。」
「いや、それはないね。」
「あ？」
ビビったベンの顔を見て少し満足する。
「それにしてもイオンがここに来た時、シショーシショーって言って離れなかったよねぇ、可愛かったなぁ。」
「お前…あれから何年経ってると思ってんだ。」
そうは言いつつ、あいつが足元にまとわりついてギャンギャンしていた記憶が浮かぶ。
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