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04.吾輩の通り名は、飛邪狗《ひゃく》
「なぜ、吾らを滅しようとする?
ここ100年は、誰も呪い殺しておらんし、人を喰ってもいない。
じゃが、お主らと来たら、生態系は破壊するわ、
地球は温暖化させるわ、
妖もドン引きするような兵器使うわ、
親子兄弟で殺し合ったり、学校でいじめがあったり、自殺者も後を絶たぬ。
地球規模で観たら、よっほど、お主らの方が害悪ではないか!」
「貴様らを滅ぼすのが使命だからだ」
「え? じゃぁ、妖が滅んだらどうするの?
お主の仕事はAIには取られないって想ってんだろうけど。
吾らを滅したら、仕事自体なくなるんじゃぞ。
妖の多くは……100体のうち90体は元は人間じゃ。
色んなモノを失って、妖になったんじゃぞ」
「まず、お主は、己自身を愛すことじゃ。
そして、100体の妖も愛すことじゃ。共に地球に生きるものとして。
実は、800万体なんて盛っちゃったけど、今リアルに100体だけなんじゃ。
その辺の絶滅危惧種より少ないんじゃ!」
「あほくさ……」
若い退魔師から、殺気が消えた。
そしてポツリと言い残し去って行った。
「人間と、五十歩百歩か」
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