01.吾輩、百済生まれの倭国育ち、悪い奴らはだいたい友達

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01.吾輩、百済生まれの倭国育ち、悪い奴らはだいたい友達

吾輩は今、通りすがりの退魔師(たいまし)滅却(めっきゃく)されそうなピンチにあった。 こいつ若いのに、めっちゃ強いやんけ。 吾輩の100分の1も生きていないクセして。 「待て、待て、若いの。 お主は、今朝目覚めた時、ワクワクしたか? 今夜眠る時、今日という日に満足できるのか? そういう人生を生きておるのか?」 「(あやかし)よ。俺は、今ワクワクしている。 そして、貴様を狩れば、気持ちよく眠れるだろう」 ダメじゃ、こりゃ。 どこぞの戦闘民族みたいにワクワクしておる。 100年経っても、分かり合えそうにねえ。 吾輩は百済(くだら)生まれの도깨비(トッケビ)じゃ。 日本で言う処の『鬼』にあたる。 白村江(はくそんこう)の戦いに乗じて、日本へ渡って来た。 当時は倭国だったか。白村江(はくすきのえ)の戦いと読むこともある。 吾輩の通り名は、飛邪狗(ひゃく)。 どうだ、強そうで悪そうじゃろ? 吾輩の仲魔(なかま)も相当悪い奴ら揃い。ヤバい集まりじゃった。 ♪吾輩、百済生まれの倭国育ち、悪い奴らはだいたい友達♪  ここ↑は蒼灰龍(どらごんあっしゅ)のノリで読むのがコツじゃぞ。 女子会を開けば、インドと中国を滅ぼしかけた『九尾の狐』こと玉藻前(たまものまえ)輝夜姫(かぐや)なんかも集まったものじゃ。 たまちゃんは、石にされたし、かぐやんはストーカーに嫌気がさして、月にバックレたがの。 可愛さ余って憎さ百倍。過度の要求は逆上の元じゃ。 女子会の様子は、月百姿(つきのひゃくし)にも描かれているとか、いないとか。 ところがじゃ。 吾輩の仲魔達も、随分と滅却されて激減した。 平安時代の陰陽師もキツかったが、最近では能力者とかいう(チート)が増えたせいじゃ。 IUCN(国際自然保護連合)は言葉が通じないから、日本政府にかけあったが、レッドリストに登録もしてくれぬ。 こっちは、絶滅危惧種だっつーの。 しかも高齢。老人に優しい国ではなかったか? まぁ、見た目はピッチピチじゃがの。 仕方ないから、ユニセフにでも掛け合おうと想っていたら、こいつと遭遇してもうた。
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