親殺し

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 ーー…衝動的に、前触れもなく苛つき始めていた。 下らない争いを続けるあの二人に。 ほぼ毎日の出来事だ。毎日毎日…腹減った… なんのために結婚したのか。そもそも本当に結婚したのか? とまで思えてきた。純白のドレスコードとかしこまったスーツとを着て、沢山の親類隣人に祝福の笑顔をもって囲まれ共に人生を歩むと契約したのか。そんなことは想像出来なかった。 怒号が飛び交う。こっちは腹が減ってたまらないのに…やるなら外に出てくれ。あんたらのその空間は醜すぎる。そんなところでのんきに自炊できるほどおれの心はタフじゃない 怒りーー…やめてくれ… 侮辱ーー…やめろ、やめろ 否定ーー…うるさい… うるさい 二階まで聞こえてるのがわからないのか?息子が、あんたらをどんな心持ちでみてるか、わからないのか? フザケてんのか? うるさい…うるさいうるさい。獣みたいに叫びたくなってきそうだ。 なんで結婚した。ああ苛つく。苛々する。なんで。おれを、産んだ? こんなモノを聞かせるためか? あー……ムリ… ウザい。鬱陶しい。息苦しい。いつまでやってんだ。ああ。ああもういっそ。 死んじまえーー…… ≪殺してやろうか?≫ 「え…」
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