5・真心

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 カイルは武器庫へ案内をした。 「これらは荷電粒子ライフルとガンだ。アガルタで使用できる銃器。実に合理的でプラズマガンのようにバッテリー交換式では無い。アガルタのマントル・エネルギー粒子を直接照射エネルギーに変換できる。全員がこれを1丁ずつ装備したら事は足りる」 「うわぁっ、やったぁ!」  喜んでそれを手に取る5人。重さを確かめたり構えたりしてみる。 「そして、リリカ」 「え?」カイルに呼ばれ、振り返るリリカ。 「君は剣術の達人だ。これが役に立つだろう。使ってくれ」  と左手で握っている鞘に収まったカイルのサムライ・ソードを渡す。 「えぇ? いいの?」 「アガルタでは君のプラズマ・ビーム・ソードは使えない。これならばお構いなく何でも切り刻む」 「ありがとう、カイル」 「君が持ち主の方が刀も喜ぶ」 「そんな・・・」  謙遜するリリカ。しかし心からカイルの真心に感謝をした。 「これからゲートの電磁バリアを解除する。君達は現場へ戻って待機してくれ。アガルタへの入口はワームホールになっているらしい。どんな影響が人体に現れるかは分からない。過去誰も通った事が無いからだ。そして戻って来られる保証も何も無い・・・覚悟を決めてくれ」  全員が頷いた。信念と覚悟、それしか無かった。それだけで十分だった。 「ありがとう、カイル。必ず戻って来るから、その時に会いましょう」  リリカはカイルに抱き付いた。 「私はもういないだろう。君達を通してしまったのだから・・・」  表情の無いカイルのマスクが悲しそうに見えた。
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