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カイルは武器庫へ案内をした。
「これらは荷電粒子ライフルとガンだ。アガルタで使用できる銃器。実に合理的でプラズマガンのようにバッテリー交換式では無い。アガルタのマントル・エネルギー粒子を直接照射エネルギーに変換できる。全員がこれを1丁ずつ装備したら事は足りる」
「うわぁっ、やったぁ!」
喜んでそれを手に取る5人。重さを確かめたり構えたりしてみる。
「そして、リリカ」
「え?」カイルに呼ばれ、振り返るリリカ。
「君は剣術の達人だ。これが役に立つだろう。使ってくれ」
と左手で握っている鞘に収まったカイルのサムライ・ソードを渡す。
「えぇ? いいの?」
「アガルタでは君のプラズマ・ビーム・ソードは使えない。これならばお構いなく何でも切り刻む」
「ありがとう、カイル」
「君が持ち主の方が刀も喜ぶ」
「そんな・・・」
謙遜するリリカ。しかし心からカイルの真心に感謝をした。
「これからゲートの電磁バリアを解除する。君達は現場へ戻って待機してくれ。アガルタへの入口はワームホールになっているらしい。どんな影響が人体に現れるかは分からない。過去誰も通った事が無いからだ。そして戻って来られる保証も何も無い・・・覚悟を決めてくれ」
全員が頷いた。信念と覚悟、それしか無かった。それだけで十分だった。
「ありがとう、カイル。必ず戻って来るから、その時に会いましょう」
リリカはカイルに抱き付いた。
「私はもういないだろう。君達を通してしまったのだから・・・」
表情の無いカイルのマスクが悲しそうに見えた。
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