プロローグ

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 支配層達が何世代にも渡り長い年月を掛けて目指した超管理社会、新世界秩序。それが可能な人口調整は整った。そしてこの支配層達の正体、それは人類では無くレプティリアンと呼ばれる古代に地球に降り立った爬虫類人の種族であった。彼らは金採掘の労働力として当時地球にいた猿人と自分達のハイブリッド(交配種)として遺伝子工学で人類を創造した。シェイプシフトと呼ばれる方法で人類に擬態でき、長い歴史の中で人類として存在していたのだ。  そんな中、世界政府総司令部のSS(シークレット・サービス)機関の若き小隊長であるエマ・タチバナに与えられた任務はMC(ムーン・チャイルド)と呼ばれる月面基地ベース・ムーンで生まれた人間を捕獲するものだった。エマのターゲットは24人いるMCの最後の一人コウガという青年。実はエマはベース・ムーンで育ったレプティリアンであり、コウガとは幼馴染みだった。幼いながらも恋仲だった二人は再会を約束し引き裂かれた間柄だったのだ。そしてこの任務は「ミッション・リリカ」と呼ばれ、エマが自ら志願したもの。エマは転送による一時的な記憶を失った状態でコウガに会った時、僅かな記憶から自らを「リリカ」と名乗った。そのままリリカの名で過ごす事になる。  LTを通して全人類を管理する心臓部は「ビースト」と呼ばれるスーパーコンピューターだった。この開発者はエマの父親ケンヤ・タチバナ博士という日本人技術者。本意では無かったビーストの開発を強制的に実行させられたタチバナ博士は、この破壊を目的として自分の亡くなった娘のクローンであるリリカを作った。その際に生命力が強く攻撃能力が高いレプティリアンのDNAをかけ合わせた。さらに月で生まれた新生児達に本来人間が持っていた能力を使える染色体復元薬を投与した。それはビーストの破壊を実行するリリカをサポートする人間が必要だと考えたためだった。そしてこのMC達が繋ぐ新人類の誕生がレプティリアンに支配された地球を解放する糸口となる望みを託して息を引き取ったのだった。月で生まれたMC達をレプティリアンが捕獲する目的がこれであり、彼らは人類の反逆を最も恐れていた。
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