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3・アキラとレナ
アメリカCA。かつて世界の中心的存在だったこの国は支配層達も多く暮らしていた。そしてその核はニューヨーク市。現在もその活気は継続されており大掃討作戦の影響をほとんど受けていない希少な都市のひとつである。意図的にニューヨークを破壊せずに残したのだろうとも言える。世界政府総本部の拠点がブリュッセルであるならば、ここニューヨークは最大の支店と言える立場で、政治、文化、経済の中心としてレプティ、人類、オーガノイドを問わず多くの者が集まる多種族地区であった。
最も東に位置するクイーンズエリア。ここは移民の居住区として人口密度も高い場所。アパートが密集した住宅街では犯罪も多かった。
とある古い5階建のアパート。夕食の団欒も一区切りがつく午後9時過ぎに〝ドガガンッ〟とドアに何かがぶつかる音が響いた。
「てめぇら、どこから嗅ぎつけて来るんだ!」
投げられた男の襟首を掴んで立ち上がらせるアジア系の男。アキラだった。鋭い眼光で男に迫る。
「うるせぇ、こっちだって必死なんだ」
「運送屋の格好なんかして来やがって。こんな時間に来るか、アホ!」
「テメェよりブロンド女だ。どこだ女は?」
ヨロヨロになりながらもレナの存在を確かめて来るバウンティハンター。アキラはクワッと目を見開いて、
「何でお前に教えなきゃならねぇんだよ!」
と男を殴り飛ばした。〝ガタガターン〟と床を転がる男。すると柱型の影からレナがサッと姿を現した。手には銃器の様な物を持っている。そして男の首に素早くそれをあてがうと〝バスンッ〟と撃ち付けた。
「ハウッ!」
男は目を見開いて慌てて立ち上がるとレナを見て驚愕の表情をした。と思ったらその場で崩れる様に倒れ込んだ。
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