すごろくの話

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 放課後、香苗が古びた木箱を手にやって来た。 「さっき社会科準備室の掃除で出てきたの。先生も知らないみたいだからもらってきちゃった。やってみない?他にやりたい人いる?」  香苗は私の返事も聞かないまま、勝手に私の机の上に『すごろく』と書かれ木箱を置き、クラスメイトに声をかけた。  やるのは私、香苗、柚、弘道、圭太の5人。 「すごろくなんてガキの頃以来だな」  圭太の言うことに全員うなずく。 「たまには、こういうのもいいかも」  柚はすごろくを楽しみにしているようだ。  香苗が箱を開けると、眩しい光が私達を襲った。 「これは、どういうことでしょうか?」  弘道がそう言ったのも無理はない。光が収まると教室は誰もおらず、静まり返っていたのだから。 「弘道、なんでそんなに冷静なのよ!」  香苗が叫ぶ。 「他の奴らはどこ行ったんだ?」  圭太は教室の扉を開けに行く。 「おい、扉開かねえ」  圭太が両手で力強く扉を引くが、扉はびくともしない。 「私達閉じ込められちゃったの!?」  柚が泣きだしそうになっていた。
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