すごろくの話

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 一番は弘道だ。 「それでは、いきます」  緊張の面持ちで弘道はさいころを振った。目は二と五。 「7ですね」  弘道は七と書かれた場所に人形を置く。 「特に、何も起きませんね」 「はじめから起きてたまるかよ。次は柚の番だ」  柚はうなずいてさいころを持った。 「じゃあ、いくよ」  コロコロと机の上をさいころは転がっていく。目は四と四。 「8だから、これってどうするといいの?」 「出た目にあわせて人形を置くってことだから、7+8をすればいいと思う」  香苗に言われ、柚は十五に人形を置く。  パチッ! 「きゃっ!」  柚が人形を置いた瞬間、柚は飛び跳ねた。 「柚!?」  香苗が柚を介抱する。 「大丈夫、ちょっと静電気が流れた時みたいな痛みがあって・・・」  柚はいきなりのことにショックを受けているようだ。 「いや、それはおかしいでしょう。木製の人形なのに静電気が起きるなんてありえません」  弘道が首を振りながら言った。 「じゃあこれのせい、か」  圭太が短冊を見ていた。 「これに書かれているぜ。『お題:静電気が発生』だと。あと、人形に柚の名前が書いてある。ということは――」  次は私の番。人形の名前も柚から私の名前に勝手に変わった。
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