8人が本棚に入れています
本棚に追加
ここで、さっき思っていた通りにアイスコーヒーを一気に飲みに掛かれば良い様なものをアイスコーヒーだけが来るものと許り思っていた秀一は、「あれ?アイスコーヒーしか頼んでないのに・・・あっ、そっか、おまけか、いや、おまけにしては多いなあ。あっ、そっか、モーニングって奴だ。昼過ぎでもモーニングって付くんだなあ。これ位、色を付けないと喫茶店も生き残れないんだなあ。いや、モーニングにしては少ないか、けれども、これだけ付くなら良いサービスだ。折角、サービスして貰ったのにこれを残すのは勿体無いなあ」なぞと考え込む癖が仇となり迂闊にもおまけを見ながら思っている間に奈美は順々にポーションタイプのガムシロとミルクをさっと取って捲って入れストローで掻き混ぜ喉を潤す程度に二口程、飲んだ。そして先程、恥を掻かされたと勘違いしていた彼女は、意趣晴らしを含めた、おさらばする為の台詞をアイスコーヒーが来るまでに考え付いていたので虎視眈々とそれを言い放つ機会を窺っていた訳だが、秀一がおまけを横目に、「これを残すのは勿体無いなあ」と相も変わらず未練がましく思いつつストローに口を付けアイスコーヒーを啜り出したのを見て、ここを先途と、おさらばする為の布石を機先を制して打って来た。
最初のコメントを投稿しよう!