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「あのねえ、川上さん、立ち入っちゃうけど実の所、月、幾ら位、貰ってるの?」
「ごほっ」と不意に泣き所を突かれた秀一は、思わず噎せてしまい、ストローから口を離して顔を上げ、「え、えーと・・・」と答えるのに躊躇すると、奈美はにんまりして、「良いのよ、無理に答えなくても。実はね、私、彼氏がいるんだけど、ちょっと物足りないのよ。そこへあなたが現れて、いい男じゃないってときめいちゃったから、あなたが引っ掛かってくれれば良いのになあって思ってたら、あなたが引っ掛かってくれたでしょ。だからあなたと彼氏を天秤に掛けようと思って一応、話を聞いてみたんだけど・・・」と言った後、ふふふと冷たく含み笑いをして、「天秤にも掛からなかったわ。残念ね」と決め台詞を吐いて立ち上がった。
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