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光と闇。
相反する2つの存在が、俺の中には内在している。
幾度も反転を続けた果てに
どちらが本当の俺であるか…
わからなくなっていた。
磔にされた四肢が痛む。慣れてしまったが故に、痛みに微睡んでいた意識が覚醒めるまでが日常と化していた。
「相変わらず独りでいるのが好きなようだな…」
「…そうでもない、昔はな」
声を掛けてきた男はキング…そう呼ばれている。
本名は知らない。
組織とやらの中ではそれなりの地位にいるようだ。
あまり関わることはなかったのだが…。
今の惨たらしい現状に冬摩刃を引きずり込んだ奴だ。いい話を持ってくるわけが無い。
「何の用だ?」
「聞かせてもらおうと思ってな…貴様の今までの背教の数々を…!」
差し出されたのは、力の宝石ではなく、ソレの根源だった。
「…!」
磔にされて痛む手に握らされた刹那
俺の中で、ナニカが消えた。
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