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「ほんとフラッと来るよな…まあ、このタイミングで来たんだからなんかあるんだろ?」
勇騎さんの言葉に門矢 士はニヤリと笑って語り始めた。
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出会したのは偶然だった。
鏡が揺らぎ、異形の手が人を引きずり込む。
「っ!させるかっ!」
しかし掴もうとした手は、僅かな誤差で触れずに終わる。
「…っそ!」
ジュエルとドライバーを構え、鏡面世界へ突入しようとしたその時。
「流石は世界の破壊者…いや、通りすがりの仮面ライダーか」
「…何の用だ」
明らかに組織の男。だが、ナイメアと首魁にしかガッツリ絡んだことがないので、名前が出てこない。
が、名前の思い出せないその男は人助けに逸る俺の胸中を見透かしたかのように言った。
「この世界のミラーワールドは少し造りが違う…。向こうに行ったからといって人が死ぬことは無い。モンスターに食われなければな…」
「結局命懸けは変わらないってことだろう…」
「確かに…そうではある。だが、今回引き込まれた人間には既に力を与えてある…。生き残る術がない訳では無い…」
「…信用する理由がないな」
「…好きにするといい、今回はお前や呼道勇騎達が介入する事も想定内だ」
「…変身」
『KAMEN RIDE…DECADE!』
薄ら笑いを浮かべる男を無視し、変身した俺は波打つ鏡を越えて異界へと足を踏み入れた。
通り抜ける刹那、男の声が反響して聞こえる。
『我が名はキング…世界の破壊者よ…貴様は今回のゲームにおいては異物だ…。用が済み次第お帰りいただこう。』
言うことを聞くとでも思ったのか?と疑問を呈しながら、俺が道を抜けた先には、先程引き込まれた男の他にも数人、男がいた。
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