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「巷の行方不明者は此処に連れ込まれたってことか…。」
ライダーの力を持ってして集団の中から、歩を進めて前に出たのは二人。
一人は仕立ての良いスーツに身を包んでおり、左の襟には弁護士バッジが光っている。
もう一人は、対照的。蛇皮のジャケットと狂気に満ちた双眸が異質である。
「此処かァ…北岡ァ…。祭りの場所は…。」
「浅倉…お前と祭になんて来たくないね…!」
北岡と呼ばれた男は牛の紋様が象られた緑を。
浅倉と呼ばれた男は蛇の紋様が象られた紫を。
其々掲げ…。
「「変身!」」
幾つもの鏡に映り込んだように人型が舞い、各々の身体に定着する。
北岡は、緑に銀の重装甲を纏った砲撃手、ゾルダに。
浅倉は、黒に紫の鎧を纏った狂戦士、王蛇に変身る。
「あぁ…この感覚だ…もっと俺を楽しませろ…!」
帽蛇が鎌首を擡げた様を表わした牙召杖に手札を読み込ませる。
『-Sword vent-』
蛇の尾のような武器、ベノサーベルを振りかぶり襲い来る王蛇を見たゾルダが本人の風体を模した機召銃を発砲する。
互いに容赦などない。
嘗て見た“龍騎の世界”では、あくまで裁判の道具以上の意味を持たなかった力。
こちらの世界ではただ殺し合いの道具として機能している。
「…全く、どうかしてるな。この画を描いた奴は」
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