第9話 想いの視線

11/221
前へ
/221ページ
次へ
 1㎝弱の幅、革のような艶としなやかさ。  つけているのを忘れるくらい、今となっては俺の体に馴染んでいる。  これが、告乃がしていると思われる対になった指輪の位置情報を受け取っているのだ。  毎日、毎日、同じ座標軸から届いている。 「しかし、私が告乃に外見を変えるとするなら、すべて変えないと駄目ですね。そうすると中身にも影響が出ますから…」  食後のお茶を運びつつ、デュークは言う。 「まだ考えてたのか。その話は終わりだ」
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加