第9話 想いの視線

21/221
前へ
/221ページ
次へ
 センサーをあてても生体反応はなかったが、何か気になって周りを見る前にその2つの点に近付いてみた。 「…クモか…」  見下ろすと足を上にした状態の小さなクモだった。  センサーをあてても無反応…。  死骸だとしても、これは反応するはずでは…。  よく見ようと腰を落とそうとした時、奥の方から靴音が聞こえてきた。  とっさに立ち上がり、クモを足で廊下の端にそっと寄せる。 「…こんな偶然ってあるのね」
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加