第9話 想いの視線

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 薄暗い廊下の奥から現れたのは、加藤唯だった。  笑顔を見せて、俺に近付いてきた。 「残業してまで、点検なの?」 「なぜ、こんなところに居るんだ」 「…ちょっと、野暮用で…」 「どんな?」 「蒲生君が気にするような事じゃないわ。だいたい、あなた、私を振ったじゃないの」  少し怒ったような声にハッとした。
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