第9話 想いの視線

23/221
前へ
/221ページ
次へ
 彼女は何か勘違いをしているようだ。 「いや、そういう意味じゃない。単純に聞いただけだ」  彼女は腕を組んで俺を見上げた。 「…でしょうね。そういうとこ、クールだけど、つい期待して傷付くのよねー」 「…悪い」 「別にいいのよ。慣れてるから。ところで、そのブレスレットは? 蒲生君そういうのしない人だと思ってた」  作業服の袖をまくっていたため、左手首につけた告乃とのブレスレットが丸見えだったのだ。
/221ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加