第9話 想いの視線

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「アンドロイドなんだ。最初から何となく似たところがあったんだけど…僕が修正を入れた」  何も言えず、その彼女を見つめた。  その人は少々戸惑いながらも、俺に笑顔を向けていた。  …ああ。わかっていても、姉に見えてくる…。 「弟の君にしたら理解しがたいかもしれないが…。  僕には彼女が必要なんだ。この彼女と出会わなければ、沙也の死から上手く立ち直れたかどうかわからない」  最初の自信なげな声と違い、必死の想いが伝わってくる。 「…今の君なら、わかるんじゃないかな」
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