100人に言ってみた

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「2つ目はお前へ復讐だ。前に催眠術を掛けて聞いたことがあっただろ? あなたはだんだん自分の秘密を話したくなるって。あの時、お前は俺に秘密を話したんだ。お前は、お前は俺が大事にしていたララを殺した」 ララは貴則が飼っていた猫の名前。 ララは1年前に死んだ。俺が運転していた車に轢かれて死んだ。そしてそのことはずっと貴則に隠していた。 「ちょっと待て貴則。あれは事故だったんだ。ララが突然飛び出してきて」 「スマホを見ていたんだろ。だから道にいたララに気付かず轢いた。あの時お前はそう言っていたんだ!」 貴則の言う通りだった。 「……悪かった。俺が悪かった。ごめん。ごめん貴則」 「もう良い。お前が謝ったところでララが帰ってくる訳じゃない。それよりそろそろ10時になる。もう生放送の配信準備は終わった。俺は後ろに隠れているからお前はそのままそこにいろ。さあ、果たしてお前を殺しに来るやつは現れるかな? 生放送スタートだ!」 貴則はそういうと俺の視界から消えた。俺に向けられたカメラの端にある赤いランプが緑色に変わった。 「おい。何なんだよ。もう始まっているのか。なあ、貴則答えてくれ。違うんだ。俺は、俺は百足なんじゃない。俺は、俺は」 その時、玄関のドアが開く音がした。 「おい、誰だ! 勝手に入ってくるな! やめろ、やめてくれ」 玄関から入ってきたのは見知らぬ若い男。そいつは俺のことを見つけ睨み付けると俺目がけて一直線に突進してきた。 「うあああああ」 男の体が俺の体に当った。次第に胸から痛みが襲ってきた。そして男はそのまま俺のそばから離れ、逃げるように玄関から外へ出て行った。 首が動かないが、胸に刃物が刺さっていることだけは分かった。俺はカメラに視線を移した。 ……パチン。 指を弾く音と同時にカメラのランプが赤色に変わった。
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