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にわとりの後を歩き出した私は、すぐに異変を感じた。
何というのか、足の裏がフワフワするような変な感じなのだ。
その時、にわとりが羽根を羽ばたかせ始めた。
次の瞬間、にわとりの体は空中に浮いた。まるで、ヘリコプターが飛ぶときのように。
2メートルほどの高さまで飛びあがったところで、にわとりは東方向に飛び始めた。
「ちょ、ちょっと待って!」
慌ててジャンプした私だったが、そのジャンプの高さが半端なかった。
斜め方向に5メートルくらい飛んだのだ。
「うきゃー!!」
下を見ると、運動場でサッカーをしている男どもが見えた。
『パンツ見られるー』
焦ってスカートを抑えようとしたけど、みんな必死にボールを追いかけていて上を見上げる人はいなかった。
私は、空に浮かんでいた。
にわとりは、私の前をのろのろと飛んでいる。
恐る恐る、1歩、歩いてみた。
歩けた。
空を歩く魔法にでもかけられたのか、私は空中を歩けるようになっているのだ。
『うほーい!』
何だか楽しくなってきて、私はスキップし始めた。
『下界の人間たちは、何も気付かずボールと遊んでおるわ。はっはっはっ』
と浮かれながら地面を見下ろした時、私は、まぶしい光で目がくらんだ。
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