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それから、私と平原さんは順調にお付き合いを続けていった。
平原さんが土日のどちらかが休みだったら、その日は朝から夕方までデートをする。動物園や美術館にも行ったし、映画を観たり買い物に行ったりすることもある。
でも、平原さんの休みが平日になることの方が多い。そういうときは、いつかのように私の学校帰りに近くの喫茶店でお茶をするのが習慣になった。だから毎日会えるわけではないけれど、少なくとも二週間に一度は会っている。
それに、最近は夜に平原さんから電話がかかってくることも増えた。スマートフォンに彼の名前が出るたびに私の心臓は大きく脈打って、電話越しに声を聞くたびに彼への気持ちが募っていった。
平原さんと会うたびに彼のことを少しずつ知っていって、一学期が終わって夏休みが来る頃には、私にとって平原さんは何ものにも代えがたい、かけがえのない存在になっていた。
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