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「こうちゃん」
モゴモゴといっぱいそしゃくしてチョコを飲み込むと「もうチョコ食いたくない。たまごサンド食べたい」とこうちゃんが言うから笑った。
「こうちゃん、たまごサンド好きなの?わたしも好きだよ」
「じゃあお兄ちゃんに作ってくれよ。美紅はお兄ちゃんのお嫁さんになってずっとたまごサンド作ってくれよな」
「えっ?」
お嫁さん……憧れの響きでもあり、まるで洸夜からプロポーズをされているようであの頃のわたしは舞い上がった。
「なる!美紅絶対こうちゃんのお嫁さんになる」
「よし。お兄ちゃんは将来プロ野球選手になる」
「わたしはこうちゃんのお嫁さんになる」
ふたりで将来の夢を叫んで笑った。
「じゃあ結婚式のまねして誓いのキスな」
「誓いのキス?」
こうちゃんが軽く口にチュッとした。こうちゃんの口の周りにチョコレートがいっぱいくっついていたからチョコレートの味がした。
わたしはこうちゃんの将来のお嫁さん。
それが嬉しくてお母さんに教わってたまごサンドばかり作った。作ってはたまごサンドを持って洸夜の元へ行く。
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