おさにが100前編

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洸夜と同じ中学校に行きたくないし親がわたしを私立中学に入れたいから受験したけどすべて落ちた。 仕方なく通うことになった中学校は他の小学校も学区内だから5クラスある。洸夜と同じクラスになる確率はかなり低いからそこだけが救いだった。実際、教室の階も違う別々のクラスになった。 けれど安心したのもつかの間、最初の友達作りにつまずいてわたしは不登校気味になった。 そして中学2年生には登校しても保健室に駆け込む毎日。 何かされているわけでもないけどわたしの存在がクラスにはないものとして扱われている。つまりいてもいなくてもいい存在。 ひそひそと話している集団と目が合う。それだけでわたしを見て悪口を言っているのかもしれないと急に不安な気持ちが襲ってきて教室を飛び出す。 普段は立ち入り禁止の屋上に駆け上がり天を仰いだ。 いつからわたしはこんなにも人を避けるようになったのだろう。 人の目が怖い。 関わるのが怖い。 傷つきたくない。 誰もいない無音な世界があるならそこに行きたい。 そんな願いもむなしくもうすぐで2泊3日の合宿が始まる。
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