パートが決まりました。

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1人ずつ発表された。 伊音はトランペット、日向はホルン、健一郎はトロンボーンと希望通りに配置された。 フラグを立てた渉は無事に回収して、ユーフォになった。(本人は苦笑いしていたが、すんなりと受け入れていた。) 「はい、じゃあ次にパートごとで自己紹介してください。」 その一言でバラバラと人が分かれる。 トランペットはいつもの位置、音楽室後方のベートーヴェンの肖像画前だ。 トランペットパートは5人集まった。 2年が3人、1年が2人だ。 この人数にしてはなかなか多い方だと思う。 「じゃあ軽く自己紹介だな、如月 諒だ。よろしく。」 部活体験からお世話になっていた先輩だ。 返事をしながら軽く頷いておく。 「はいはーい!桜田 実乃梨です!一応パートリーダーだけど、パートのことは諒に聞いてね!あたしに聞いてもわからないから!よろしくっ!」 びっくりするほどのテンションの高さだ。 1年2人が固まっていると、両サイドからペシッと叩かれていた。 「…うるさくてごめん。私は有村 華。…コルネットとフリューゲル担当。…よろしく。」 こちらは先ほどのテストでお世話になった先輩だ。 それにしても、学校単位では珍しい。専門のコルネット奏者か…。 先輩達の自己紹介が終わったので、伊音もさっさと挨拶を済ませる。 「柏木 伊音です。よろしくお願いします。」 「…おぉ!君が伊音くんだね!舞から聞いてるよ!」 「…うるさい、実乃梨。」 …あ、また叩かれてる。 なるほど、そういう感じか。 「実乃梨は放っておいて、次いこうか。」 諒が助け舟を出した。 もう1人の1年(女子)がおずおずと声を出した。 「えと…神田 未央です。よろしくお願いします。」 未央はペコリとお辞儀をした。 なんというか… 「未央ちゃんね!めっちゃ初々しいね!」 「…。」 どうやら実乃梨センパイと同じことを思っていたようだ。 そこからは雑談へと話が変わっていった。 特に1年は質問攻めで、クラス、誕生日、出身中学なんかも根掘り葉掘り訊かれ、伊音は楽器決めよりも体力を消耗したのだった。
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