眼鏡美人・進藤早智子さん

2/4
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
 「落ち着いてください。あとで相談に乗ります。  ここでは困ります」  「時間ないんじゃ。すぐ済む!糖尿でもうあんまり使えん。  全財産下ろしたんじゃ」    髪がすっかり薄くなった背の高い中年の男の人。興奮した表情で原さんに突進してきた。  Tシャツに、  「リエちゃん命!オレはリエのために死ねる!ミヤワキ」 ってマジックで殴り書き。すっごく下手だった・・・  汗でマジックがにじんで、ほとんど読めなくなってる。  「ハゲ!さっさと消えろ。ここはハゲの来るところじゃない。  ハゲた頭をリエちゃんに見せるな!  このハゲヤロー!ぶっ殺してやる!」  髪の薄い人が叫ぶ。原さんに何度もハイキックを浴びせる。  少ない髪の毛が風に舞う。  「ハゲって言うな。ハゲ!」  原さんの反撃。  つかみ合いの始まり。  関係ない人たちまで加わってる。  「やめてください!」  警備員が駆けつける。  もみあいは続く。大声が飛ぶ!  松葉杖の少年が突き飛ばされた。  その場に倒れる。  松葉杖が投げ出される。  持っていたブーさんのヌイグルミまで・・・  「こんなもん、地面に置くな!」  「シンショーヤロー!」  「ジャマだ!ゴミ!」
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!